【寄稿№30】新年明けの引っ越し | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

TOP読者投稿コラム一覧>【寄稿№30】新年明けの引っ越し

  • 【寄稿№30】新年明けの引っ越し




    <2023.1.15寄稿>                             寄稿者 MAC
    2022年末に新築の物件を契約した。といってもトランクルームだけれども、これまで借りていた0.5帖から1.2帖の広さになって、2.4倍にもなったにも関わらず、賃貸費用は1.2倍も違わない。しかも、自宅から歩いて2分ほど。
    借りていたトランクルームは12年ほどになるが、消費税の税率アップにともない、当初の割安感がなくなってきていた。自宅からは10分ほどの距離だったが、ルームが地下1階で階段を使わなければならなかったため、書籍を入れたダンボールなどを手持ちの搬入・搬出作業がきつくなってきたところだった。
    ここ数年、トランクルーム専用の新築ビルが増えてきている。(株)キュラーズによると、屋内外合わせたトランクルーム市場は2021年に670億円で、2026年には1,000億円規模へ拡大する可能性があるとのこと。また全国のトランクルーム店舗数は2020年の調査で、11,397を越えて、ファミリーレストラン市場を超える店舗数になった。これは1戸あたりの居住面積が20年前と比べて、15㎡も減少していることや在宅勤務が増えている影響もあるのではないかという。新築ビルのトランクルームは、エアコンや送風機装備で、リモート管理、セキュリティもQRコード認証などで、徹底的に省力化されていて、新築気分で快適に使える。

    都心の賃貸の究極はホテル住まいである。長期間ホテルに住むのであれば住所登録もできる。たとえば東京都中央区の40㎡ほどの賃貸マンションで月額17万円ほどの物件と比べると、ビジネスホテルのシングルルーム(12㎡)6,000円を30泊すると、18万円。これに近くのトランクルームを1万円で借りとすると19万円。マンションは光熱費が別途かかるが、スペースは3倍以上とれる。けれども、シングルルームで1年も暮らすことができるものだろうか。やはりホテルでも40㎡ほどの広さとリビングは欲しいもの。となると、ホテル住まいは富裕層向きか。

    都心に住むメリットは、その利便性にある。東京駅の八重洲地下街には、飲食店や衣類店はもちろん、郵便局、コンビニ、100円ショップ、酒販店、デパートの鮮魚・精肉店、北海道のアンテナショップまでそろう。まるで昭和時代の商店街の現代版のようだ。東京駅近くの寝るだけのスペースの賃貸に住んで、この地下街を利用すれば、日本中の手に入らない食材や必需品はないくらい。たとえ狭小住宅でもトランクルームを活用すれば、日本の超一等地で、ぜいたくな「庶民的」東京駅前暮らしができる。

    かつて京都人の住まいは、家で魚を焼かないので、おばんざいなどの持ち帰り文化が発展した。内風呂はないので銭湯を使う。現在でも京都市内の銭湯は、基本料金でサウナも入ることができ大繁盛している。外ですませることができる日常は家には持ち込まない。商家・職人の工房兼居宅が多いせいもあるのか、狭くても寝ることさえできる部屋があれば十分ということなのだろう。知人の東京・下町の町家でも、1階は精密部品の加工場と居間のみで、2階が寝室だった。賄いもすべてつくるのではなく、近所の精肉店のとんかつなどがごちそうだったりした。1980年代は、まだ下町の商店街も活況があったのだが、バブル経済以降ほとんどがビルになってしまった。東京は、商店街の風情はなくなりつつあるが、日本橋の卸問屋などの多い地域はまだ人情的なところがあり、居住空間の工夫をすれば、リーズナブルな生活が楽しめます。

     


PAGETOP