【寄稿№36】別府だより(9) たった一人の映画館 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 【寄稿№36】別府だより(9) たった一人の映画館



                
    <2023.3.22寄稿>                                           寄稿者 カッパ 
    別府の人口は約11万人。
    別府には映画館が3館ありました。普通の映画館1館、成人映画館2館。
    成人映画館1館は、最近閉館になりました。
    ストリップ劇場は取り壊されました。
    普通の映画館「ブルーバード劇場」は、駅前通りの長い歴史ある老舗の映画館です。
    たまたま映画館の前を通ったら、本日の上映スケジュールが出ていました。
    一日5本それぞれ違った映画の上映で、17:00から私の興味を引いた映画がありました。
    ロマン・ポランスキー監督の「オフィサー・アンド・スパイ」
    ユダヤ人:ドレフュスの冤罪事件を扱った映画です。
    そのときコロナが増えていることで、ちょっと躊躇したのですが、出かけました。

    前の映画が終了して退場客三名。えっ、あらー、少ない!
    チケットを買い入場、80席ある真ん中の一番良い席へ。見まわして私一人。
    貸し切りだわー!
    暗くなって上映が始まり、でも何となく落ち着きません。
    誰かが後ろを通ったよう! 通路の方角へ人影。でも観客は一人のはず。
    さわさわと音がして、映画に集中出来ません。
    エンディングタイトルが流れて館内明るくなり、急いで後ろを振り向きました。
    誰もいないのです!! 出てきたのも私一人!
    20年ぶりに映画館に行ったのに、夜の怪談? ゾゾゾゾ~。
    お陰で、映画の内容は濃いのに印象に残っていません。
    あれが映画館の人だったら、怒ります。
    別府にもシネマコンプレックスが出来る予定でした。商業施設ゆめタウンを経営するイズミがシネコン建設を盛り込んで市の許可を取ったのですが、不履行になったのです。そのため、別府市に2.5億円「企業版ふるさと納税」制度を利用して、寄附をすることで決着しました。これは会社の税金控除になるんじゃ?

    駅前通りはホテル、映画館、銀行、パチンコ店、デパート、何となく寂しかった。けれども、別府に少し人出が戻ってきました。
    次の通りはスナック街、夜になるとネオン華やかに黒服の人たちが立ちます。
    次は飲食街、コロナで歯抜けになりましたが、名店迷店多しです。
    その次の通りの私のカフェをちょいと曲がれば風俗街、15軒以上の風俗店があります。
    その真ん中に、威風堂々と竹瓦温泉が佇んでいます。
    明治12年に創設され、昭和13年再建された唐破風造の華麗な屋根を持つ公共温泉です。
    砂風呂もあり、町一番の温泉です。
    でも、どうしても風俗街を通らないと温泉に行けません。映画「ブレード・ランナー」の世界で、混沌とした雰囲気です。
    壁一杯に女の子の写真が飾ってあります。
    コロナの前は案内所が二ヶ所もありましたが、閉鎖になってしまいました。
    安心してお勧めできる所を知りたかったのですが!

    夜遅くに、真っ白に化粧したおばあさんがビルの角に座っていました。
    「風邪ひかないように、お休みなさい」と声をかけて。
    天国も地獄もある、これも別府です。

    オフィスランディック株式会社社長のコラムの上に、「芸術広場(ARTSQUARE)」 が出来ました。第1号は、別府のMAKEY(さんです。素晴らしい活動の「オフィシャルサイト」で、全活躍ぶりがご覧になれます。
    齋藤社長は、発表したい方々に広場を提供していきたいとおっしゃっています。
    次のアーティストの作品が楽しみです。

    姑100歳と4ヶ月、大正・昭和・平成・令和と生きました。


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