【寄稿№41】別府だより(10)七島藺とAPUアジア太平洋立命館大学  | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

TOP読者投稿コラム一覧>【寄稿№41】別府だより(10)七島藺とAPUアジア太平洋立命館大学 

  • 【寄稿№41】別府だより(10)七島藺とAPUアジア太平洋立命館大学 






    <2023.5.8寄稿>                              寄稿者カッパ

    皆さま七島藺(しちとうい)をご存知でしょうか?
    住居の洋風化で畳の部屋が少なくなり珍しくなりましたが、畳表に使われる藺草(いぐさ)の一種です。琉球畳には七島藺が使われています。
    普通の藺草と違い茎が三角形で、それを割いて畳表を織ります。
    太くてとても丈夫。前回のオリンピックの柔道畳には、この特性から使用されたとか。火に強く消臭効果もあります。希少で貴重で高価です。
    名前の由来は、トカラ列島の七つの島に生息する藺草を持ち帰ったところからといわれています。今では大分県国東(くにさき)半島の農家数件で栽培され、製造されています。

    別府だより(7)「せんべろ」に登場したせいじ君は、この農業をしたいと移住して来た28歳の若者です。生まれは関西で、APUアジア太平洋立命館大学を卒業して一度は関西で就職したのですが、国東の自然の美しさの中、この希少な七島藺を絶やしたくないと農業修行中です。
    また、その過程などを知ってもらいたいと、農作業、畳織りなど得意の英語とSNSを駆使して、世界中に発信しています。藺を使ったイヤリングなどアクセサリーも作り、世界から注文が入るようになりました。昨年、東京渋谷で、藺草作家の作品展示会が開催され、せいじ君も自分の作品を出品しました。
    消臭効果があるのでキャットハウスも展示されて、ピカチュウが中から覗いていたそう。
    軽井沢のビルゲイツの別荘にも使われているそうです。
    この4月から任期3年の国東市の地域おこし協力隊員に任命され、臨時公務員です。
    お休みにやってきて、お茶を飲んでビルの温泉に入って帰っていきます。

    別府は3月31日から4月3日まで、「別府八湯(はっとう)温泉まつり」で賑わいます。
    31日朝6時、別府駅をスタート、湯桶をラグビーのボールに見立てて運びます。ゴールは梅園温泉の足湯です。7時にトライです。熱いほうじ茶でねぎらいます。
    1日は浅見(あさみ)神社のお神輿が町をご神幸し回り、続いてやよい銀座の大天狗がくりだします。    
    2日には簡易みこしに人一人が乗り、それをめがけて温泉をぶっかける「ぶっかけ祭り」です。今年は99トン!のお湯が用意され、最後は誰彼構わずぶっかけあってみなずぶ濡れ。
    来年は別府市政100周年、100トン!のお湯を準備するそうです。
    3日は扇山(おおぎやま)の火まつり、18:00に火が入り、夜空に美しい野焼きが始まりました。
    私も協賛でビルの通路を使い、「梅園(うめぞの)マルシェ」を近所の女性達と計画しました。
    出品者を募ったり作品を集めたり、社会福祉法人や施設に花の苗を買いにいったり。
    数種類の柑橘を買って袋詰めにしたり、これは失敗しました。持ち歩くには重たいと敬遠されました。ビーガンのかたのパンやスコーンは完売。その他諸々!
    せいじ君も準備から手伝ってくれ、自分の作品を出していて七島藺の説明をしたり実演したりで、コースターが売れたと喜んでいました。

    さて遠方から客がありました。彼は昨年末会社を倒産させて失意の中、何とか再起の手掛かりを探しています。いなかで温泉に入りゆっくり休んだらどうかと思い誘いました。
    せいじ君に彼の母校APUアジア太平洋立命館大学の案内をお願いしました。彼は自分の年齢と同じライトバンを持っています。懐かしいマニュアル車です。アクセルとブレーキの踏み間違い事故が起きて、老人は非難されます。アクセルをもとのクラッチの場所へ移動して、左足で踏めば、両足使えて間違えないのじゃないかしら。左足はあいているのですもの。せいじ君のクラッチ操作に思いました。
    APUは別府湾と市街を見下ろす山の上にあります。それは素晴らしい見晴らし景色です。学生は天空と呼びます。市内からバスで570円は高い!
    5000人の学生が学びます。半分が国際学生で、一年生は全員大学側の寮生活です。二年生から下界に散ります。在学生の出身国は107ヶ国、授業は日英2ヶ国語で。皆3ヵ国語はできるとか。
    今年日本で一番の国際的な大学に選ばれました。
    丁度昼食時で食堂に。学生と並んで選びます。種類が豊富でハラールの食事もあります。
    せいじ君おすすめのタイカレー、雑穀米、サツマイモの天ぷら、おくらのおひたし、温泉卵、デザートと、つい取り過ぎてしまいました。大きな食堂ホールいっぱいの学生、多国籍の人たちで色んな言葉が飛び交っています。凄くパワフルな雰囲気です。
    学長の出口さんはとてもフランクな方だから、アポイント無しだけどお会い頂けるかもしれないと突撃しました。本当にお会い頂けたのです! 三人とも感激です。
    脳梗塞で右半身と言葉が不自由になられていますが、その真摯な態度に敬服致しました。
    「サスティナビリティ観光学科」という新しい学部が出来、新しい校舎も出来ていました。
    興味津々です。
    遠来のお客さまは、二日泊まって帰って行きました。


PAGETOP