思うところ１４４．「電話収容局」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

思うところ１４４．「電話収容局」

＜2023.4.1記＞
当社の主要営業エリアである東京都中央区においては、目と鼻の先とも言える至近距離の引越しであっても電話番号（NTT固定電話）が変わってしまうことがある。例えば、同じ銀座アドレスであっても、「京橋」「銀座」「東銀座」と3ブロックの収容局に分かれており、同じ銀座二丁目であっても「京橋」と「東銀座」に分かれる。その複雑さをご理解頂くべく、本コラムの末尾に当社の社内資料（収容局の仕分表）を貼付けておく。しかしながら、収容局の仕分けが今後も絶対変更されないと言い切れない以上、引越し（移転）検討の都度にNTT・局番無しの「116番」にお問い合わせ頂きたい。

たかが電話番号ということ勿れ、されど電話番号なのである。顧客や取引先への充分な告知期間も必要になるし、ホームページを始めとする各種メディアに記された従前の電話番号を手際良く新番号に変更しなければならない。名刺や会社封筒などを新規に発注するのと同時に訂正用のゴム印などの手配も必要になるだろう。自ずと総務部門は大わらわになる。

総務部門の負担はさておき、どうしても電話番号を変えたくないと考える事業者は多い。因みに当社の電話番号の末尾四桁は1212であり、FAX番号は末尾0202なのでとても覚え易く今後も手放したくない。ぞろ目や得難い語呂合わせの電話番号をお持ちの会社なら尚更のこと、絶対に手放したくないと思っているに違いない。

よって、賃貸オフィス・店舗の仲介部門が留意すべきは、「移転しても電話番号が変わらないこと」がお客様にとって予算や広さと同レベルの絶対条件ならば、電話番号を変更しなくて済むアドレスの物件に絞っての情報提供に努め、その中から選択して貰うことだ。（設備・仕様・築年等の項目については次順位の優先項目と割り切る。）的外れな物件見学は、お客様のみならず仲介人にとっても時間の浪費になる。また、税理士の独立開業や事務所移転で重要視される「所轄の税務署が何処か」についても電話番号と同様の問題を抱える。京橋税務署が管轄する新川アドレス内の税理士の移転先が仮に道路向かいのビル（その距離僅か6ｍ）であったとしても、それが日本橋茅場町アドレスならば、日本橋税務署の管轄になってしまう。これらの注意喚起は前回のコラム（学区）で述べた趣旨と同じことなのである。

尚、どうしても電話番号を変えたくない場合、多少の経費を厭わないのなら、同じ番号の使用を可能にするクラウドサービスを利用するのも一案である。また、従前の拠点を残すことができるなら、「ボイスワープ」というサービスを使って転送することにより電話番号を変えない裏技が無きにしも非ずだが、その為だけに従前の事業所の賃料を支払うのだとしたら現実的な代替案とは言い難い。むしろ、NTTに連絡して番号が変わったことを通知して貰う期間限定のサービスを利用する等、顧客・取引先に迷惑を掛けないスマートな引越しとなることを心掛けたいものである。

思い起こせば、私が上京した頃（JRが国鉄だった頃）は、携帯電話の普及は皆無で電話加入権（今は無価値）なるものを5万円位（以上？）で買わねば固定電話を設置することができなかった。住んでいた武蔵野市吉祥寺北町の市外局番は0422、徒歩圏内（約500ｍ先）の杉並区善福寺に住む友人の電話番号は市外局番03、割高になる電話料金にあの頃感じた疑問を今も抱えたままである。