思うところ39.「A・P・B・FのM」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ39.「A・P・B・FのM」




    どの業界にも業界用語があり、その用語を用いて会話を簡素化することが多い。潜在的には同じ業界ならではの仲間意識もあるのだろう。同業者間で長い単語の繰り返しは耳障りであるから合理的である反面、一般のお客様に対して用いるべきではないとも思う。

    過去のコラムで取り上げた「囲い込み」「抜き」「両手・片手」「アンコ」なども典型的な不動産の業界用語である。最近は「三為(サンタメ)」などといった言葉も定着してきた。因みに「サンタメ」は「第三者の為にする契約」のことで、転売目的の不動産会社がより多くの譲渡益を得るためにする仕入・販売手法の一つである。それら業界用語の使い方で業歴や得意分野・経験値をも推測することができる。

    業界用語ではないものの、背伸びして自分を大きく見せようとする人が「知性の演出」として、英語を過度に織り交ぜることが多いが、これはあまり好ましいことではない。我々不動産業界の者は、「難しいこと」を「判り易く」簡潔に表現することが求められている。おかしな英語で煙に巻くのは良くない。「難しいこと」を「難しく」述べるのは学者、「簡単なこと」を「難しく」言うのは役人だけで良い。

    上手いこと英語表記を略して不動産業界用語と化した単語もある。賃貸業界で多用される単語「AM」「PM」「BM」「FM」がその一例だろう。ここまで定着すると、本来の英語で述べる必要は無いし、わざわざ日本語に変換する必要も無い。

    その様な御託(ゴタク)を並べながら、今回のコラムは少し手抜きして下記の通り用語解説で締め括りたい。

    「AM」=Asset Management
    (アセットマネジメント)」=直訳すると「資産管理業務」不動産業界においては、投資用不動産を投資家に代行して管理・運用する業務である。また、PMの選択やPMに対する指示なども行う。

    「PM」=Property Management(プロパティマネジメント)=直訳すると「賃貸経営管理業務
    投資用不動産の所有者、あるいは前述のAM会社から受託して行う管理業務のこと。
    具体的な業務としては、建物の維持・管理、入居者の募集、賃貸借業務の代行、賃料・共益費などの請求・回収、トラブル時の対応など。

    「BM」=Building Management(ビルディングマネジメント)=直訳すると「建物管理運営業務」
    BMは、不動産の所有者に代わり、日常清掃、設備の管理・点検、巡回見回り、保守管理、警備業務、防災消防管理、植栽管理、美観管理など、要するに読んで字のごとく建物の管理業務である。

    「FM」=Facility Management(ファシリティマネジメント)=直訳すると「施設管理業務」
    不動産(土地、建物、構築物、設備等)全てを対象に、経営上最適な状態(最大の費用対効果)で保有・維持する為、「経営的視点」から有効かつ適切に計画・運営・管理する取組みを言う。

    実務上は、「A」「P」「B」「F」は、一部重複しながら複雑かつ密接に絡み合い、縦割りにできない業務である。その「M」どれもが得意分野であると胸を張れるよう精進して参りたい。


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

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