思うところ１４２．「マンションカタログ」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

思うところ１４２．「マンションカタログ」

＜2023.3.1記＞
当社ホームページ内の「マンションカタログ」なるコンテンツのリニューアルにご注目頂きたい。リニューアルの主たる目的は中央区内でお住まい探しをするお客様に「より分かり易く」情報発信することにより、「どの様な選択肢があるのか」を知って貰う為である。よって、売却物件の有る無しに拘らず入力作業を急ピッチで進めている。残念ながら、今のところの完成度（登録棟数）は30％程度に過ぎないが、あと数ヶ月、少なくとも年内には全物件の入力を終える予定である。その後の新規発売物件は随時加入していくつもりだ。勿論、その他のエリアの物件も特命で売却を任されることが多い為、必要に応じて「中央区外」の充実も図る。

まず、思い切ってTOP画面に表示された地図の町名そのものを検索ボタンに変えた。この手のコンテンツは路線図で仕分けをするのが一般的であるのだが、当エリアに関しては徒歩10分圏でさえ、多数の駅・路線が入り組んでおり他のエリアの常識は当て嵌まらない。「沿線で絞り込む」機能を補助的なものにしたのはその様なエリア特性が理由である。因みに中央区を町名で仕分けすると36の区画割りになる。最終的には町名をクリックしたら町内の分譲実績が全て表示されるようにしたい。また、羅列するだけでは意味が無いと考え、築年・駅距離・分譲規模等の項目毎に並べ替える機能も付した。その上で可能な限りの写真を掲載してみたが、特長と特徴の説明文は簡素化した。なぜなら、披露宴の長々としたスピーチが嫌われるのと同じく、長文が敬遠されることは本コラム欄の執筆により身を以て知っているからである。

尚、説明文は簡素化したものの、お客様目線に立って、施工会社・ペット飼育、事務所使用の可否・宅配BOXの有無は判る範囲で明記した。また、ファミリー層も意識して学区が自動的に表示されるシステムを導入してある。少々手間取っているのが「専有面積の最小・最大」の調査であるが、その情報開示をしなければ、「無い物ねだり」のご用命を頂くことになりかねないとの思いがある為、面倒であっても省略してまで完成を急ぐつもりは無い。

さて、本リニューアルの副産物として興味深いデータが浮き彫りとなってきた。浜離宮庭園は町名ではあるものの、歴史的・文化的遺産の恩賜庭園であるから其処にマンション供給が無いことは当然として、八重洲・日本橋本石町にも分譲実績が全く見当たらない。現時点で京橋は1棟（56戸）のみ、日本橋室町は僅か2棟（計91戸）、日本橋でも3棟（計229戸）の分譲実績しかない。中央区で面積最小と思われる日本橋久松町でも8棟（計282戸）の分譲実績があるにも拘らず、である。1970年代から加速度的に大量供給された区分所有マンションであるが、半世紀に渡る業界史を紐解いても様々な理由でマンション供給ができない土地柄があったということである。

特異なのは豊海町である。この度の東卸豊海住宅（1号棟～3号棟、計417戸）の解体工事完了を以てこのエリアに現存する分譲マンションは一旦0戸になる。しかしながら、「豊海地区第一種市街地再開発事業」により2027年6月（頃）に地下1階付地上54階建の大規模ツインタワー（西棟：1,075戸、東棟1,075戸、その他：店舗・駐車場）のビッグコミュニティが突如として誕生することになる。

イメージと異なるのは「銀座」だ。「銀座アドレスに分譲マンションなんて無いよ。」などと嘯（うそぶ）く営業マンがいるが実のところはそうでもない。建物老朽化により敷地売却・建物解体となった中銀カプセルタワービル（著名な建築家である黒川紀章先生の設計、140戸）を除いても36棟（計2,321戸）であるから、当社の所在する日本橋茅場町（12棟/計588戸）における供給戸数の4倍近くもの分譲実績がある。

月島・勝どきエリアの全物件入力は大変な労力を要することになるだろう。1棟につき、500戸超の大規模タワーマンションが珍しくもない。それに加えて建築中及び建築予定のマンションも多い。前述で説明文（特長と特徴）を簡素化すると申し上げたが、大規模マンション共用部の充実度を端的に表現することは容易なことではない。

せっかくのコンテンツのリニューアルである。お時間ある時に是非閲覧してみて欲しい。マンション探しは、まず「森を見る」ことが重要だと思うのだ。あまり細かいことに拘らず、当社の「マンションカタログ」を用いて頭の中で俯瞰的に中央区にあるマンション群を眺めてみては如何だろうか。不動産業界で言うところの所謂「絞り込み検索」はその後でも良いと思う。