思うところ162.「還暦&15周年」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ162.「還暦&15周年」




    <2024.1.4記>
    謹賀新年。令和6年(2024年)は公私共に節目の年、個人としては本年9月に60歳(還暦)を、社としては翌10月に設立15周年を迎える。適切に維持管理された建物が築60年を超えて尚使用収益が可能であるのと同じく、私の体もまだまだ大丈夫だと信じている。適切に体を維持管理してきたかはやや怪しいものだが、なにせ私は社会人になってから一度も病欠をしたことがない。その実績こそが私の体の頑健さを端的に証明していると思う。会社についても堅実経営を心掛けており、14期連続黒字決算が既に確実、第15期も問題無い。

    世界194ヶ国と地域が加盟する世界保健機関(WHO)が発表した令和4年(2022年)時点での日本人の平均寿命は84.3歳で長寿国ランキングにおいて堂々の世界第1位である。(但し、平均寿命を把握できた183ヶ国と地域の分析に限る。)また、世界全体の平均寿命も72.53歳と長寿化している。因みに令和5年(2023年)に厚労省が発表した日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳である。但し、日本人の長寿化がめでたいことに変わり無くとも、更に少子高齢化が進行することは間違いなく、社会保障制度の屋台骨が根底から揺らいで次世代負担がより増大することは憂慮せざるを得ない。本来重視すべき健康寿命の実態がどうなっているかも気になるところだ。

    会社の寿命はどうだろう。国内企業の平均寿命は一説に30年。東京商工リサーチが令和4年(2022年)に倒産した負債総額1,000万円以上の企業の内、創業時期が不明の企業を除く5,649社の平均寿命を分析したところ、平均寿命は23.3年だったそうである。さはさりながらも現存する世界最古の企業は日本にある。その会社は飛鳥時代に遡ること西暦578年、聖徳太子が百済から招いた宮大工、金剛重光によって創業された「金剛組」だ。平成17年(2005年)まで金剛一族が経営していたと言うから驚きの事実である。(現在は高松建設グループ)また、創業1000年超の企業は世界に12社しかない。それにも拘らず、その内9社が日本にある。なんとも心強いトピックスだ。

    宅地建物取引業者としての老舗度合いは免許番号の更新回数で窺い知ることができる。当社の免許番号は東京都知事(3)で始まる。その括弧内の数字が更新回数を表している。私の生まれた年、昭和39年(1964年、東京オリンピック開催&東海道新幹線開業の年)の宅建業法改正により宅地建物取引業は届出制から免許制に移行された。昭和40年(1965年)に免許を取得した東京都知事免許番号第1号(当社は第92371号)の不動産会社は既に(17)に達している。(平成8年3月までは3年毎更新、現在は5年毎)それら不動産業界黎明期の老舗と比べてしまえば永久に若手企業と言わざるを得なくなってしまう。とは言え、当社は5年に1度の更新手続きを3回為しているわけであるから、(3)の表記は少なくとも10年以上(15年未満)宅地建物取引業を持続させた公的な証になる。まぁ、長く存続した企業が優良企業とも限らないが、倒れても倒れても尚雨後の筍のごとく次々と芽を出す不動産業界に於いて、若いからと言って皆に破竹の勢いがあるわけもなく、更新番号(1)のまま消え去る会社は後を絶たない。よって、読者の皆様は瞬時に老舗度合いを見分けるテクニックの一つとしてこの更新回数を確認すべきであることを覚えておかれると良い。但し、免許番号が古い会社を買収して「老舗」に見せかける新規事業者もいるから更新回数を「鵜呑み」にすることは良くない。やはり最終的にはご自身の心眼を以て優良会社であるか否かを見極めて貰いたい。前述の通り平成8年(1996年)3月までは3年毎に免許更新手続きが必要だった。それが今は5年に一度の更新で済む。更新手続きの軽減は有り難いのだが括弧内の番号は容易に大きくならなくなった。当社の免許番号が晴れて「東京都知事(4)第92371号」の表示となることが待ち遠しい。

    コラム№150でも述べたが堅固な建物(鉄筋コンクリート造)の法定耐用年数は1998年の改正前までは60年、それが今は47年になっている。法定耐用年数はあくまでも税務上用いられる指数であり、建物の減価償却期間のことであるから実際の建物寿命(物理的耐用年数)とは異なる。私見に過ぎないが、今後新築される建物に関して言えば、適切に維持管理さえすれば建物寿命(物理的耐用年数)を80年程度まで延ばすことは可能だと思っている。超優良住宅なら100年超も夢ではない。不謹慎な喩えかもしれないが人の寿命と建物の物理的寿命は近似値に思えてならない。人の体は老いたからと言って、部品交換や大規模修繕工事という訳にはいかないのだが・・・。

    年の始めに人・組織・建物の寿命についてのあれこれを考えてみた。本年も皆様のご健勝とご多幸を願ってやまない。


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

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