思うところ152.「マンションカタログ・所見」 | 東京駅・茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ152.「マンションカタログ・所見」




    <2023.8.1記>
    本年3月に思い立って始めた当社HP内マンションカタログのリニューアルが7月末をもって一段落した。「完了!」とまで言い切れないのは、今後の新築マンション供給や建物老朽化に伴う建替もあれば、管理規約(ペット飼育・事務所使用の可否)や管理会社・管理体制の変更もあるのでこの入力・更新作業には終わりも完璧も無いからである。とは言え、旧分譲主・施工会社・築年等の物件概要が変更される可能性は無い。また、区分所有であるが故、構造・規模が変更(増改築)される可能性は低い。但し、駐車場・駐輪場・バイク置場の配置や区画数の変更、宅配BOXの新規設置等は良くあることである。入力済の分譲マンション棟数は実に940棟(総戸数74,989戸=平均約80戸/棟、但し、販売中の住戸を含む。)にも上る。これに賃貸用の共同住宅(マンション・アパート)や社宅・戸建等を加算したもの(30,000戸程度?)が概ね中央区の居住用建物の総数ということになる。

    コラム№142でも述べた通り、恩賜庭園であることにより建築許可の取得が不可能な「浜離宮」、再開発計画により一旦は現存する分譲マンションが消滅する「豊海町」の外、「八重洲」と「日本橋本石町」、計4つの町には分譲実績が見当たらず、今のところ「京橋」も1棟の分譲実績しかない。反して「日本橋浜町」は現在101棟(総戸数5,161戸)の最多棟数を誇る。にも拘らず、分譲実績の最多戸数となる町は大差で「勝どき」の11,788戸(全60棟)である。

    ところが、「HARUMI FLAG(分譲対象住戸3エリア全19棟合計4,145戸、その他は賃貸住戸)」なる大規模コミュニティがもうすぐ晴海5丁目に誕生する。突如として「晴海」の総戸数が11,395戸となり「勝どき」の総戸数に肉薄することになるのだ。今まで1棟あたりの平均戸数は「勝どき」が196.5戸/棟と規模感において他を抜きん出いていたが、棟数で「勝どき」の約半分の「晴海(全29棟)」が総戸数で「勝どき」の近似値になる訳であるから、平均戸数は一気にその倍(392.9戸/棟)になるということである。因みに1棟の最多戸数は今月完成するパークタワー勝どき(サウス棟)の1,665戸だ。

    対照的にコンパクトなコミュニティが「日本橋久松町」であり、全8棟の総戸数は282戸だから平均戸数は35.3戸/棟。同じ中央区内であっても江戸時代から軒を連ねて栄えた下町情緒溢れる人形町エリアと物流拠点として長らく日本の高度成長期を支えてきた勝どき・晴海エリアの街並みの違いが数値を以て容易に想像できることと思う。

    高さについても触れておこう。中央区でもっとも高層のマンションと言えば、勝どき6丁目のTHE TOKYO TOWERSの2棟(SEAタワーMIDタワー)が58階建(地下2階)で2008年(平成20年)の完成以来トップの座を譲らないが、前述した勝どき4丁目のパークタワー勝どき(サウス)も同階数(地下3階付58階建)で並ぶ。それらの階高を3mと仮定するならば、その高さは174mということになる。

    興味深いデータもある。当マンションカタログはマンション名でも検索できるのだが、「銀座」と入力すると101棟も表示される。銀座アドレスの分譲マンションは37棟しかないのだから、少なくとも64棟は銀座周辺のマンションが「銀座」の名を冠しているということだ。この数値が「銀座」という地名が如何にブランド力のあるものかを示している。また、「日本橋」で検索すると「銀座」の約3.8倍の数値(全383棟)が表示されることにも驚かれるかもしれない。但し、これは(「日本橋」の地名ブランド力を否定するものではないが、)「日本橋」を冠する地名が21(全445棟)もある影響が大きい。(例:やや離れた「東日本橋」も共通項「日本橋」で検出される。)

    ディベロッパーのブランド名で検索するのもお試しあれ。例えば、「ライオンズ」と入力すれば大京を分譲主とする32棟が表示される。三菱地所系なら「パークハウス(17棟)」、三井不動産系なら「パークホームズ(16棟)」、野村不動産なら「プラウド(11棟)」といったように。不動産業界で覇を競う各分譲主がどのエリアの開発に注力しているか何となく分かると思う。

    因みに中央区が本年7月1日に発表した住民基本台帳による世帯数は100,064世帯(前年対比2,021世帯増)、総人口175,431人(前年対比2,527人増/男女比8.34:9.19)でコロナ禍明けの都心回帰の兆候が少し見られるが1世帯平均人数は1.75人と相変わらず少ない。これは少子化の影響というよりも職住接近型のライフスタイルを重んじる単身者が多く住まう地域だからだと思う。事実、生産年齢人口に厚みがあって働き盛りの45~49歳が17,241人もいる。(40~44歳:16,689人、35~39歳:16,129人)その反面、年少人口(14歳以下)が23,754人であり、総人口の13.54%に過ぎない。その数値が子育て世代の少なさを物語っている。総括すれば、昼夜間人口比率431%が示す通り、ベッドタウンと真逆のMID TOWN、商業地域が過半で戸建地域皆無のBUSINESS TOWN、それが当社の主要営業エリア「中央区」の特色と言えるだろう。


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

オフィスランディックは中央区を中心とした住居・事務所・店舗の賃貸仲介をはじめ、管理、売買、リノベーションなど幅広く不動産サービスを提供しております。

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