思うところ227.「東京湾大華火大会」 | 茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • 思うところ227.「東京湾大華火大会」




    <2026.9.14記>
    2015年を最後に休止していた東京湾大華火祭がいよいよ来月(10月24日)復活する。それまで1988年の初開催から過去3回はやむなく中止しているものの、ベイエリアにおける8月恒例の行事として毎年開催されるのが当り前のように思われていた。(過去3回の中止理由:1997年は強風、2011年は東日本大震災の被災地の心情に配慮、2014年は台風急接近)その後再開を強く望む声も多かったが2021年は花火の打ち上げ場所を東京オリンピック・パラリンピックの選手村に提供、閉幕後は大規模開発区域(HARUMI FLAG)としての整備を優先、その前年からの新型コロナウイルスの世界的流行の影響等、諸々の事情が重なったことで花火祭再開は長らく叶えられないままとなっていた。

    今回は中央区制施行&港区政共に80周年のW記念行事としての開催意義もある。多くの人が待ち望んでいたイベントの再開ということもあって晴海埠頭沖から打ち上げられる約1万2000発の花火が映える美しい夜景に観客は酔いしれるだろう。およそ3億円の収入を見込む完全チケット制(チケット料金:五千円~1万円、中央区・港区・江東区の3区民は区民割引▲5千円!)という新たな試みも素直に頷ける。財源を企業の協賛金と行政の負担のみに頼る運営方法(今回の事業予算:15億円規模)には元々無理があると感じていた。あの人混みも風物詩の一部と考えられなくもないが人気スポットへの観客の過剰流入を抑止して事故を未然に防ぐ必要もある。きっと10月開催としたのにも深い意味があるだろう。何にしても近年の8月は夜間でも耐え難い程に暑い。果たして今後は秋の風物詩へと変わってしまうのだろうか・・・。いそいそと団扇片手に行き交う人々、粋な浴衣姿の風情、それらが全て季節外れのものとなってしまうとしたら少し寂しい。悲しいかな荒天となれば順延無しの中止と聞く。天候に左右されやすい花火大会は開催そのものがあまりにも儚い。関係者のご尽力を思うと唯々好天を祈るばかりだ。

    私の会社員時代、東京湾大華火祭を「トウキョウワンダイカカサイ」と読んだ者がいて思わず大笑いした記憶がある。今のご時世なら部下の些細な読み間違いをあざ笑う無神経なモラハラ(モラルハラスメント)上司と非難されることだろう。確かに華火はあくまでも当て字であって一般的にはハナビは「花火」、古風な表現なら「煙火」、文学的表現なら「煙花」だ。「華火」をハナビと読めなくても致し方あるまい。このイベント名に関する当て字のセンスは見事である。確かに「花」より「華」という漢字の方が祭りの本質を表しているように思う。華火が当て字ではなく間違いでもないとされる日が近い気がする。

    これも私の会社員時代の話。東京湾大華火祭の開催日が近づいたある日、タワーマンションの高層階(空室)を内見したいという20歳代前半(大学生?)と思しき若者からの電話問い合わせを受けた。見学者は二人(彼女同伴)、都合によりどうしてもその日その時間帯でないと困ると言う。彼が見学を希望した住戸は20歳代の若者にはなかなか手が出ない億単位の超高額価格帯であるうえ、見学希望日時の理由や購入動機・資金計画には明らかに不自然さが感じられた。若者の真の目的(思惑)を察した私は丁重にお断りせざるを得なかった。「残念ですがその日は東京湾大華火祭の開催日なんですよ。管理組合から夜間の営業(案内)は控えるよう言われておりますのでご案内はできません。」名前さえ名乗らぬその若者は見学できないと分かるや否や「チェッ」と舌打ちした後に電話をブチ切り(固定電話でいうところの「ガチャ切り」)をした。

    お客様は神様ではない。名前さえ名乗らぬことも、感情を露わに舌打ちすることも、不快感を与える電話のブチ切りも、それが誰に対してであろうと甚だ礼を欠く振る舞いであることは間違いない。だが、その若者に対して何か憎めない気もした。誰にだって若気の至りはある。少なくとも仲介会社に悪意があっての画策ではなかったと思う。仲介会社に迷惑を掛けるのは良くないが思惑さえ見抜かれなければ金を掛けずに彼女に喜んで貰える彼なりの苦肉の策だったと思いたい。「もしかしたら、花火を横目にプロポーズ(告白?)でもしたかったのかな?」こんな時は怒るよりもできる限りのプラス思考で受け流すことを心掛けている。

    東京湾を望むタワーマンション最上階付近の住人は夜空に煌めく10号玉(=尺玉、到達高度:約330m)の花火は見上げるにしても3号玉(到達高度:約120m)までならバルコニーから見下ろす、5号玉(到達高度:約190m)でも横目に眺めることはできるだろう。因みに20号玉の到達高度は約500m、それは流石に現在日本一の高さを誇る港区の超高層タワーマンシ
    麻布台ヒルズ(レジデンスB=地上64階建、高さ:約262m)の最上階でも見下ろすことはできない。世界一の高さを誇るマンション:Central Park Tower(所在地:米国マンハッタン、131階建、約472m)でさえもだ。40号玉(4尺玉)ともなれば到達高度は700m超、このクラスになると安全管理が難しいから滅多にお目に掛かることはない。(コラム№210参照)因みに4尺玉を見下ろすことができる建物は世界一高い超高層ビル:ブルジュ・ハリファ(所在地:アラブ首長国連邦ドバイ、163階、高さ:約828m)である。

    どうしても至近距離で花火を見みたい。本来は見上げるべき花火を一度は己の眼下に収めてみたい。その気持ち、私だって分らぬでもない。


     


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

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