思うところ230.「洗濯機置場」 | 茅場町・八丁堀の賃貸事務所・賃貸オフィスのことならオフィスランディック株式会社

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  • <2026.11.2記>
    少しでも暮らしに役立つ情報発信をしたい。そんな思いから今回のコラムは「洗濯機置場」にテーマを絞って語りたい。住まい選びに様々な変化(コラム№198参照)が見られることは今までも述べてきたが単身者用の狭小住宅でも最近は洗濯機置場の良し悪し(洗濯機置場が室内にあるか否か、ドラム式洗濯機が設置可能か否か)が決め手になることが多くなった気がする。最近の商談では度々耳にするので偶々とは思えない。

    天日干しが当り前の時代なら屋外に洗濯機置場があることも珍しくはなかった。洗濯機置場をバルコニーやベランダに配置することで少しでも居住空間を拡張して単身者向け狭小住宅の弱点を補う苦肉の策でもあった。洗濯機置場が屋外にあれば階下への漏水リスクは室内にあるよりは少ないし、多少なりとも騒音トラブルを回避できる。ところが今では、「風呂・トイレ別」と同じくらいに「室内洗濯機置場」を住まい探しの必須条件とする人が増えている。

    「洗濯機置場が屋外にあると埃を被るから嫌だ!」といった不満の声は以前から多かった。それでも予算重視の客層からは問題無く容認される商品企画だったのだが・・・。「ワンルームなのにドラム式洗濯機を置くの???」そんな驚きは今はもう無い。それ程までに少人数の世帯向けに商品開発されたコンパクトなドラム式洗濯機が普及しつつあるからだ。

    精密部品を多用しているドラム式洗濯機ともなると雨ざらしというわけにはいかない。問題はコンパクトタイプと言ってもドラム式洗濯機(乾燥機能付)は従来の洗濯機よりもかなり大きい(最小タイプでもW620㎜前後)ことにある。その上、開閉扉分の空間も、換気対策も必要となる。しかも70~90㎏と重く一人では運搬できない。だから、W(=幅)とD(=奥行)のみを確認して搬入可能と思い込んではならない。搬入経路(特にクランクしている箇所)まで十分に確認し、搬入の可否が微妙だと思うならキッパリとやめておいた方が良い。(無理な搬入をすれば内装を毀損してしまう。)

    どうやら乾燥機能付のドラム式洗濯機の利便性に慣れてしまうと従来の洗濯機には戻れなくようだ。家電を中心に住まい選びをするのはやや疑問に感じるものの、確かに使える限りは捨てるには惜しい高額の耐久消費財である。重度の花粉症で洗濯物を外に干せない人もいる。屋外に洗濯物を出したくない女性心理も理解できる。都心部では日当たり難を抱える住まいが多いという事情もある。

    盲点は給水栓の設置位置(高さ)である。ドラム式洗濯機を置くためには従来の防水パン(標準サイズ:W640㎜×D640㎜)にかさ上げ台(4個SET販売、数千円で防振ゴム付タイプもある。)を用いて洗濯機の下部にメンテンナンス用の空間を設ける必要がある。その結果、従来の防水パンにかさ上げ台の高さを加算するとその高さを想定していない給水栓の位置では洗濯機と給水栓があまりにも近くなり過ぎてホースが接続できなくなる。見学段階では意外と気づかないものだ。

    よって、ドラム式洗濯機(乾燥機能付)のある生活が絶対であると考えるならば、チェック項目は①洗濯機置場の間口・奥行、②搬入経路の幅、③防水パンがドラム式洗濯機対応タイプか否か、④かさ上げ台が必要ならその高さを加算しても給水栓と過剰接近とならないか、⑤給気口や換気扇はあるか(=換気は十分か)、少なくともこの5項目全てをクリアする必要がある。仲介人に間口・奥行だけを調べて貰って大丈夫だと思い込まずに是非ご自身の目で現地を再確認して貰いたい。「そんなことまで知らんがな、現況優先、家電の搬入のことまで責任は持てない!」を主張する貸主・仲介人との間でトラブルになり易い。

    今、洗濯機置場という小さな空間で様々な問題が発生している。ポケットに使い捨てライターを入れたままの洗濯物をうっかり乾燥モード入りさせてしまうと爆発炎上しかねないことを危惧している。夜中に洗濯機を回して階下の住人と騒音トラブルになったりもする。あるメーカーの給水栓は「固着(こちゃく)」と呼ばれる不具合(固着とは水栓金具の部品が摩耗、グリスの減少、パッキンの劣化等が原因で蛇口や止水栓が廻らなくなってしまう現象)がやたらと多い。換気不足の室内洗濯機置場はカビが大量発生する。相変わらず防水パンの部材:エルボ(=排水ホースの接続部品、千円程度で買える。)の持ち去り事件が多発している。転居先にエルボが無いと困るからと持ち去る人は確信犯だったりする。それは玉突き事故というよりも他人の迷惑を顧みない我欲の連鎖だと思っている。(やむなく当社は今後エルボに「持ち去り禁止」のシールを貼ることにした。)

    以上の通り住まいのほんの一部にさえ大小様々な問題が多発している。ましてや、住まい全体となればより多くの問題が発生することは想像に難くないと思う。しかも我々はその一室のみを管理しているわけではない。賃貸管理担当者の苦難、推して知るべし。


このコラム欄の筆者

齋藤 裕 (昭和39年9月生まれ 静岡県出身)

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